東日本大震災


今、できること

 東日本大震災でもたらされた大きな被害を報道などで目にして、被災地、被災者の方々に対して、何かできないか、と考えている人たちも多い。
 自分なりに、無理をしないでもできそうなことを考えてみた。ここに書いたようなことを、早速明日、いや今日からどんどんやって、東北地方、そして日本をみんなで復興させよう!

○東北にできるだけ旅行をする。

 東北地方には、観光で成り立っている町もたくさんある。だが、東日本大震災後、東北地方の多くの観光地は、観光客が減ったことでとても困っている。こうした町に旅行をすることで、観光施設や交通機関はもちろんのこと、そこの民宿や旅館にお金が入るし、そこで出される食事で海産物などが消費されることで、津波により船などに大きな打撃を受けた、漁師の人たちにも結果的にお金が入ることになる。
 心理的に、震災のあった東北地方に旅行に行くのは不謹慎ではないか、と思う人もいるかもしれない。しかし、それは全く間違っている。そうやって、人々が観光に来なくなってしまえば、東北地方は観光収入を失い、ますます疲弊し、窮地に陥る。東北地方に旅行することで、東北地方の人々の復興は、より促進されるのである。
 2011年6月25日、小笠原諸島と共に、岩手県の平泉が世界遺産に登録された。小笠原も非常にすばらしい場所だが、交通手段が限られているし、あまり多くの人が行くと自然破壊にもなるため、島に訪れることができる人の数は限られている。ここは、みんなで平泉に旅行に行くことにしよう。そして、ついでに、松島、奥入瀬渓谷、恐山、小岩井農場など、東北地方の他の観光地にも寄ってこよう。
 東北地方には、数々の温泉地(蔵王温泉、鳴子温泉、田沢湖温泉、花巻温泉...)、もう一つの世界遺産の白神山地、遠野物語で有名な遠野、仙台の牛タン、旅情あふれるローカル列車、おいしい海産物、おいしいお酒、など、いろいろな魅力的な場所や特産物がある。
 これまで、東北地方にはいろいろな魅力的な観光地があることを漠然とは知っていながら、そこに旅行に行く計画を具体的には立ててこなかった人たちもたくさんいると思う。だが、今、旅行に行くことは、東北地方への大きな助けにもなるのだ。
 これをきっかけにして、具体的に旅行プランを立てて、どんどん東北地方に旅をしよう。人助けにもなるという口実でじゃんじゃん旅行に行こう。

○東北地方の特産物をたくさん買うようにする。

 カキ、ホタテ、ズワイガニなどの海産物や、笹かまぼこなどの加工品、米、桃、りんごなどの農産物、和牛などの畜産物など、東北地方の特産物はたくさんある。これらをできるだけ購入することは、東北地方の今後の復興に、たいへん効果的である。夕食のおかず用に、いつもより、一品多く買うことで、買う方も豊かな食生活が楽しめ、幸福で優雅な気持ちになれるし、東北地方の方々の大きな助けになるのだから、どんどん買った方がよい。この際、主婦の人たちも、会社帰りのお父さんたちも、「東北地方のため」を口実に、毎日、ちょっとしたぜいたくをすることにしよう。福島原発の影響が気になるかもしれないが、市場には政府が専門家の助言を受けて決めた基準を下回っているものしか出荷されていない。そして、これはかなり厳しい基準である。基準を下まわっているのに買わないようにしたりするのが風評被害である。(「福島原発の放射線は危険なのか?」も読んでほしい。)東北地方で生産されたものを、むしろ積極的に買ってあげるようにしよう。福島県産の食べ物にどうしても抵抗があるなら、代わりに岩手県や宮城県産の食べ物を買えばよい。毎日、こうしてちょっとした贅沢をするというのが東北地方の人たちを助けることになるのである。

○北海道や沖縄などに長期滞在型の旅行に行く

 東北地方に関係ない、と思うかもしれないが、これも非常に重要である。そして、これは特に東日本に住む人たちにとっては、2つの意味で重要である。
 一つは、東京電力管内から外に出ることで、東京電力管内での、特に夏の間の電力消費を少しでも抑えることができる。もう一つは、東日本大震災による風評で観光客が減って疲弊してる日本各地の観光地、そして、ひいては日本を救うことである。

 東日本では電力不足により、家庭でもいろいろな娯楽施設でも、クーラーなども十分には使えないが、例えば、北海道ならそもそも涼しいため、快適に過ごすことができる。沖縄はもともと原発に頼っていなかったため、電力がいつもより少ないということもない。もちろん、旅行先は北海道や沖縄に限らない。東日本に比べれば、それ以外の地域は、(原発の停止により、十分ではないとは言え)まだ電力不足がそれほど深刻ではなく、西日本などに旅行に行くのもよい。

 北海道や沖縄をはじめ、西日本も含めて、旅行を通じて経済活動を支えることは大いに日本のためになることであり、それはひいては、被災地にも恩恵が出てくることになる。風評により、外国人の日本へのツアーのキャンセルがたくさん出て、外国人観光客が激減している今、ただでさえ疲弊している日本の観光地を救うのはとても大切なことである。避難生活で苦しい思いをしている人がたくさんいるときに、遊ぶなんて...、と心理的に躊躇する人もいるかもしれないが、そういう発想こそが今の日本を経済的に困窮させている一因なのであり、全くよくない考え方である。日本全体の景気を支えるのであるから、一人一人が旅行を楽しむことは誰にとっても大歓迎なことであり、心おきなく、楽しんで来たほうがよい。むしろ、日本のためになることをしているのだ、と誇り高く遊びに出かけよう。日本の景気が悪くなれば、被災地にまわるお金も少なくなるのである。
 東日本大震災で、いろいろ苦労したり、我慢したり、不便な生活をしてきた人も多いだろうと思う。ここは、思い切って、いつもより長い休暇を取ろう。そして、そうしたことを忘れて、思い切り楽しんでこよう。

○できるだけ普段の生活をし、消費活動をする。

 人々が土日に遊ぶのを控え、あまり外食もしないような状態が続くと、日本経済全体が落ち込んでいく。これによって、多くの店の経営が悪化して倒産し、失業を生み、税収は落ち込み、東北地方の復興支援にも影響がでてくる。
 ここは、平常通り、もしくはそれ以上に消費し、遊びに行った方がよいし、イベントなどもできるだけ通常通りに行った方がよい。ディズニーランドに行き、夏はバーベキューをし、海や花火大会に行き、ビアガーデンで盛り上がり、コンサートや演劇を見にも行こう。自粛をしても何もいいことはない。自粛をすると、被災地にとって何かいいことがあるならどんどん自粛すべきだが、自粛をすると、被災地の復興にとって様々な悪い影響が及ぶのだから、それは配慮ある行為どころか、むしろ罪なことであるとも言えよう。
 旅行の項で述べたのと同じことであるが、被災地の人たちを気遣って、遊びに行くのをやめたりしているかもしれないが、被災地の人たちのことは当然頭に置きながら、日本を救うためと思って、どんどん遊びに行った方がよい。このまま、消費活動を停滞させたら、日本全体がたいへんな苦境に陥ってしまう。
 東北地方の支援が十分にできるだけの体力を日本経済が維持するためには、日本に住む一人一人に、今以上の消費活動が求められている。

 

それから、言うまでもないことを最後に3つあげることにしよう。

○できる限り節電をする

 そもそも節電をするのは、エネルギー消費をできるだけ減し、二酸化炭素の排出量もできるだけ減らすということなのだから、震災が起きようが起きまいが、できるだけ心がけた方がよい。
 夏の電力が足りなくなりそうな今は、もちろん、なおさらである。
 夏の消費電力のほぼ半分を占めるクーラーは止めよう。クーラーなんかなくても、扇風機だけで大丈夫になる方法を紹介しよう。Tシャツを濡らして軽く絞ろう。そして、それを着て扇風機の前に座ろう。これは気化熱の利用というやつである。これだけで、寒くなるほどの効果が得られる。クーラーなんかいらない。涼しく電気料が安くなると同時に、気化熱の大きさを身を持って実感するという科学適的知識の体感的な習得までできる。家にいるときにしかできないが、是非試してほしい。
 そして、「スーパークールビズ」もできるだけ、実践しよう。これを取り入れていない会社の従業員は、ぜひとも会社に積極的に提案しよう。自分たちで積極的に進めていく気概がなければ、いいものも広がらない。日本の服装文化を自ら変えていく意気込みでいこう。

○義援金を送る。

 もちろんこれも有効である。今では、インターネットを使えば、銀行のオンライン取引や、クレジットカードなどを使って、家にいながらにして簡単に義援金を送ったり、募金に協力したりもできる。
 被災地の復興にとって最も必要なのは、お金であることは自明である。

 ただし、「東日本大震災 −被災地を助けるために−」で詳しく論じているが、とはいっても、実際には、人々の善意に頼る義援金だけではとても足りず、本当は、災害復興税などの形で政府が国民全体から一定のお金を集めて東北の人たちの復興をどんどん援助してあげるべきだろう。

○被災地にボランティアに行く。

 被災地では、今も多くのボランティアを必要としており、これはもちろん、被災地にとってありがたい。だが、けっこうたいへんでもある。でも、意欲・力のある人は是非行くとよいだろう。その際、被災地の実態を目の当たりにすることになる。実際の被災地を見ることは、被災地のことを実感としてとらえる上でも、とても重要なことだろう。




 以上、無理なくできることを書いてみたが、ぜひ、こうしたことを一人一人が少しずつでも実践して、日本を元気にしていこう!!

光太
公開 2011年7月9日

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